蛍光灯のひかりが嫌い

日記、たまに紀行

学生時代に過ごした夏のこと、あるいは「きみの鳥はうたえる」について

 

何年かぶりに、『きみの鳥はうたえる』という映画を観た。

 

 

じっとりとしていて肌に纏わりつくような生ぬるい映画だった。

 

雨で濡れた町や、早朝の清潔な空気、シンクに溜まった洗い物や床に落ちた吸い殻、空き瓶、枯れた花、食べかけのパン、新品の本の匂い。

どのシーンを切り取っても、まるで自分の日常を見ているような感覚に落ち入り、ふと、学生だった頃の中身のない日々を思い出した。

 


夏、きっかけは忘れたけど、あまり仲良くもない男女4人で花火を観に行ったこと。それから何となくつるむようになり、家で映画鑑賞をしたり、ドライブに行ったりしたこと。

あの時は確かに楽しかったし、若さを一番実感していた気がする。

夏が過ぎると同時に関係もフェードアウトし、今では疎遠だけれど、夏ってたぶんそういう季節なんだと思う。