蛍光灯のひかりが嫌い

日記、たまに紀行

透明な空気と祖母との小さな思い出。あるいはチャーシュー麺について

帰省した。

 

山の麓にある、大好きな実家。

 

緑が豊かで、川がきれい。早朝の朝焼けと、透明で清潔な空気。爽やかな風が頬をなでる。夜は虫の鳴き声がBGMとなり、心地よく眠りへ誘う。静かに耳を澄ませ、徐々に枕の奥へ奥へと沈んでいく意識。この瞬間がこの上なく幸せ。

夏の田舎は本当に最高だ。

 

 

祖母の容態が、日に日にわるくなっている。ひさしぶりに会う両親の、目の脇のシワが濃くなっていた。少し胸が痛む。

 

当然だけれど、自分が大人になるにつれ、まわりの大人たちも年をとっていく訳で、この現象にどうも慣れず、いつまでもあの頃のまま変わらぬ姿でこの先もずっとずっと隣に居てくれるんじゃないかと、心のどこかで思ってしまう。

 

ああ、また、幼いころの記憶の中へ閉じ籠りたくなる。

 

 

祖母とひさしぶりに出掛けた。

出掛けた、と言っても、近所のスーパーへ夕飯の買い出しと、トマトの苗を買いに行っただけなのだけれど。

 

 

帰りにラーメン屋に寄り、醤油ラーメンを食べた。

肉が食べられない祖母の代わりにチャーシューを食べてあげた。元々、チャーシューの量が多いラーメンなので、殆どチャーシューの味しかしなかった。

 

 

帰り道、歩きながら「今日は一緒にお出掛けができて嬉しかった」と、ニコニコと語りかけるような口調で言われ、なんだか途端に切なくなってしまい、少しだけ泣いてしまった。

 

 

大好きな実家、大好きな祖母、いつまでも元気でいてね。