蛍光灯のひかりが嫌い

日記、たまに紀行

2022-01-01から1年間の記事一覧

女友達のこと、あるいは『ホリー・ガーデン』について

肌寒い朝。窓を開けたら冷ややかな風が入ってきて、すこしだけ切なくなった。 昨日は夜中に『東京物語』を観た。やっぱり最後のシーンで泣いてしまう。 因みにわたしは小津安二郎作品のファンなのだけれど、この作品の原節子がいちばん好きだ。聡明で美しく…

頭痛のこと、あるいはその対処法について

頭が痛い。 頭が痛いとこの世の全てを呪ってしまう。 とにかく頭が痛いので、「頭が痛い頭が痛い頭が痛い」としか考えられなくなる。視界もぼやけてくるし、人との会話が頭に入ってこない。ゼツボーだ。 そんなわたしが頭痛を患うようになったのは、遡って中…

グミの木のこと、あるいは島崎藤村の詩について

グミの木。 小学校の中庭に、それはまあ大きなグミの木があった。 時期になると、赤く熟した実でいっぱいになる。艶やかで触るとぷにぷにしてて、きっと魅惑的な味なんだろうなあってずっと思っていた。 どうしたってこの実をたべてみたかったのだけれど、先…

実体のない日々のこと、あるいは死について

都会に1人で住んでいると、とてつもない孤独感に襲われるときがある。 こんなにも人がたくさんいるのに、この世界でたった一人ぼっちみたいな気分になる。 人の波にすぐ埋もれちゃうし。 ちゃんと自宅に戻れるか、いつも不安になる。 毎日、毎日、わたしはわ…

喫茶店勤務のこと、あるいは生活のことについて

喫茶店でのお仕事についてお話したいと思う。 喫茶店では私の他にも、いろいろな事情を抱えている人が働いていた。 新卒で就職したが数ヶ月で辞めて、その後ずっとフリーターをしている人。 年齢的に学生の年齢なのだが、訳あってずっとフリーターをしている…

学生時代に過ごした夏のこと、あるいは「きみの鳥はうたえる」について

何年かぶりに、『きみの鳥はうたえる』という映画を観た。 じっとりとしていて肌に纏わりつくような生ぬるい映画だった。 雨で濡れた町や、早朝の清潔な空気、シンクに溜まった洗い物や床に落ちた吸い殻、空き瓶、枯れた花、食べかけのパン、新品の本の匂い…

仕事を辞めたこと、あるいは「凪のお暇」について

仕事を辞めてから、半年が経過した。 仕事を辞めてからは、とにかく逃げるように引っ越しをした。 理由は二つ。 元職場が最寄り駅にあったため、職場の人間に出会したくなかったのと、 毎日、同じところをぐるぐる回っているような、前に進みたいのになかな…