蛍光灯のひかりが嫌い

日記、たまに紀行

日記

自己表現の仕方、あるいは140文字について

いつからだろう。 嬉しかったこと、感動したこと、悲しかったこと、何かあったらすぐに脳内で約140字以内の文章を組み立て、そのままツイートしてしまう。 大切な思い出が、いいねの数で価値が決まってしまうようですごくいやだ。 自分ひとりで噛み締めたい…

透明な空気と祖母との小さな思い出。あるいはチャーシュー麺について

帰省した。 山の麓にある、大好きな実家。 緑が豊かで、川がきれい。早朝の朝焼けと、透明で清潔な空気。爽やかな風が頬をなでる。夜は虫の鳴き声がBGMとなり、心地よく眠りへ誘う。静かに耳を澄ませ、徐々に枕の奥へ奥へと沈んでいく意識。この瞬間がこの上…

割り箸のこと、あるいは小さな鬱憤について

わたしは割り箸を割るのがゼツボー的に苦手だ。 カップ麺をたべるとき、お弁当をたべるとき、定食屋に行ったとき わたしは割り箸を見つめながら少し緊張している。 割り箸を上手に割ることができない。 割り箸ごとき…って思うかもしれないけれど(わたしもそ…

女友達のこと、あるいは『ホリー・ガーデン』について

肌寒い朝。窓を開けたら冷ややかな風が入ってきて、すこしだけ切なくなった。 昨日は夜中に『東京物語』を観た。やっぱり最後のシーンで泣いてしまう。 因みにわたしは小津安二郎作品のファンなのだけれど、この作品の原節子がいちばん好きだ。聡明で美しく…

グミの木のこと、あるいは島崎藤村の詩について

グミの木。 小学校の中庭に、それはまあ大きなグミの木があった。 時期になると、赤く熟した実でいっぱいになる。艶やかで触るとぷにぷにしてて、きっと魅惑的な味なんだろうなあってずっと思っていた。 どうしたってこの実をたべてみたかったのだけれど、先…

実体のない日々のこと、あるいは死について

都会に1人で住んでいると、とてつもない孤独感に襲われるときがある。 こんなにも人がたくさんいるのに、この世界でたった一人ぼっちみたいな気分になる。 人の波にすぐ埋もれちゃうし。 ちゃんと自宅に戻れるか、いつも不安になる。 毎日、毎日、わたしはわ…

喫茶店勤務のこと、あるいは生活のことについて

喫茶店でのお仕事についてお話したいと思う。 喫茶店では私の他にも、いろいろな事情を抱えている人が働いていた。 新卒で就職したが数ヶ月で辞めて、その後ずっとフリーターをしている人。 年齢的に学生の年齢なのだが、訳あってずっとフリーターをしている…

学生時代に過ごした夏のこと、あるいは「きみの鳥はうたえる」について

何年かぶりに、『きみの鳥はうたえる』という映画を観た。 じっとりとしていて肌に纏わりつくような生ぬるい映画だった。 雨で濡れた町や、早朝の清潔な空気、シンクに溜まった洗い物や床に落ちた吸い殻、空き瓶、枯れた花、食べかけのパン、新品の本の匂い…

仕事を辞めたこと、あるいは「凪のお暇」について

仕事を辞めてから、半年が経過した。 仕事を辞めてからは、とにかく逃げるように引っ越しをした。 理由は二つ。 元職場が最寄り駅にあったため、職場の人間に出会したくなかったのと、 毎日、同じところをぐるぐる回っているような、前に進みたいのになかな…